放送内容
2018/9/4(火)夜9時54分放送「#115~浜松ほうきプロジェクト~」
『浜松ほうきプロジェクト』
古くから日本の家庭に欠かせない日用品、ほうき。浜松の風景を描いた、東海道五十三次。そこには、ほうきを持つ女性の姿もあった。浮世絵に描かれた古来のほうきを再現しようという、あるプロジェクトが動いていた。
浜松市内の掃除用具メーカー、アズマ工業。
最新の掃除用品が次々と開発される中、あえて伝統のほうき作りに力を入れる、伊東真人さん。
「こちらはほうきの原料でホウキモロコシと言います。現在国内では非常に珍しいものになっています。」
かつて浜松でも、ほうき用に栽培されていたホウキモロコシ。時代と共に徐々に忘れ去られていったという。伝統のほうき復活へ・・。3年前にスタートしたプロジェクト。実はそこに、地域を活性化させるある狙いがあった。
「使われなくなってしまった遊休農地を畑に再生することで、地元農業の活性化に繋がっています」
4年目の夏、今年もホウキモロコシの収穫が行われた。
「1年目、2年目とコツを試行錯誤しながらコツを掴んできたといいますか。やっぱほうきとして掃き心地がいい」
荒廃していた遊休農地を土づくりから再生。ようやく育ったホウキモロコシは、先端部分だけがほうきとして使われる為、1本のほうきを作るのに、80本ものホウキモロコシが必要になるという。農地を再生し、伝統のほうきを再現する。プロジェクトに懸ける、未来とは・・。
「ものづくりのまち浜松において、丁寧に手作りで作られたほうきの魅力を全国の皆様に知っていただけるような活動を、浜松から発信していけたらなと考えております。」
ものづくりの街が生んだほうき。長い年月を経て、いま、よみがえる。