放送内容
2020/6/9(火)夜9時54分放送「#195~三創楽器製作所~」
「精度が一番大事、材料選び・管理それをこだわらないと良いものが作れない」
浜松市北区北島町にある「三創楽器製作所」は、古典楽器「チェンバロ」を作る日本唯一のメーカー。
14世紀末、ヨーロッパで生まれたチェンバロ。バロック時代には全盛期を迎え宮廷文化を彩った。鍵盤楽器の原点とも言われ1000点以上のパーツで作られているという。
岩上勝さんは材料となる木材のせん定から、複雑な加工、組み立て、調律まで、全てひとりで行うまさに現代の名工。
「この大型の楽器だと三か月ひとりでやるからこだわりが反映できる一台一台同じように見えても個性がでる」
「音楽を聞くと400年前の雰囲気を味わえる、その時代にタイムスリップできる。それがたまらなく楽しい。」
1980年代には数社あったチェンバロメーカー。今は三創楽器製作所だけだ。
「わたしも40年これに携わってきてせっかく積みあげてきたものを無くすのはもったいない。これを残さないとこの楽器が生き延びていけない」。
昨年、チェンバロ普及のためコンサートを主催、多くの注目を集めた。そして工房には、二人の若手が技術の習得に励んでいる。
人を育てるのも岩上さんの使命だ。
「ピアノほどではないにしてもチェンバロの認知度を上げていき音楽を多くの人に聞いてもらいたい。それが一番の思い」