前回のブログに引き続き、
静岡市葵区の真勝寺で開催された「シベリア抑留を語る~加藤源一さんをお迎えして~」という集いでの学びを記します。
今回は、シベリア抑留体験者である加藤源一さんが苦難の中でどう生き抜いてきたのかについて――
シベリア抑留の当事者は帰国する時に紙一枚も持ち帰ることを許されません。しかし、源一さんは、満州に向かう時に中隊長からもらった“飯盒(はんごう)”をシベリアから日本へ帰国する時に、持って帰ってくることが許されたのです。
80年経った今も源一さんは大事にされています。今回、その飯盒を見せてくださいました。
なぜ源一さんが飯盒を持って帰ってこられたのかは定かではありませんが、必死にロシア語を覚えたことでロシア人医師に重宝がられ、気に入られたことが要因としてあるかもしれないと源一さんは言います。
また、御年100歳。 元気・長生きの秘訣も教えてくださいました。
一つ目は、苦難にあった時に「だめだ」と思うのではなく、成長の糧になると前向きに乗り越えようと考える姿勢を持つこと。
二つ目は、笑うこと。
三つ目は、「ありがとう」という感謝の気持ちを持ち、相手に尽くすこと。
その源一さんの人柄に触れる場面がありました。私が源一さんの飯盒を入れていたエコバックを素敵ですね、と伝えると、「あげるよ、褒めてくれて嬉しいからあげるよ。沢山あるから」と今日あったばかりの私にエコバックをくださったのです。
戦渦ですべてを失った経験があるからこそ、今ある小さな幸せに気付き、分け与える喜びをご存じなのだな、と感じました。
最後に――
私達若者が積極的に戦争体験者の方のお話を伺い、それを語り継ぐことこそが、戦争で尊い命を失った方々への報いになるのではないでしょうか。
戦争体験者の“生の声”を聴ける時間は限られています。
伝える職業についた今、自分にできることを改めて考えていきたいです。
(帰り際に源一さんとグータッチ。穏やかな笑顔に心がほっこりしました。☺️)


