土俵上のドラマ

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大相撲初場所は、大関・琴奨菊関が

日本人力士10年ぶりとなる

優勝を成し遂げました。

相撲ファンに、感動を届けてくれました。

3横綱を破り、14勝1敗。

堂々たる成績です。

しかし、その”1敗”には、

こんなストーリーがありました。

土を付けたのは

平幕の豊ノ島関(12勝3敗で殊勲賞)。

この2人は、同い年です。

小学生の時からライバルで、

高校生の時は

琴奨菊関が明徳義塾高校。

豊ノ島関が宿毛(すくも)高校。

互いに高知県で腕を磨き、

同じチームで国体を制し、

2002年、同時に角界入り。

苦しい稽古を積みながら

文字通り、切磋琢磨してきました。

琴奨菊関は大関になった時

「大樹(豊ノ島の本名)のおかげで大関になれた」

とも語っています。

そんな2人と、

去年、ありがたいことに

一緒に食事をさせていただく機会がありました。

たわいもないことで一通り盛り上がったあと、

大関が財布の中から出してくれた写真。

忘れもしません。

それは、

高校時代の2人の写真でした。
(1列目一番左が琴奨菊関。一番右が豊ノ島関)

琴奨菊関は、この写真を常に持ち歩いて

心の支えにしているそうです。

固い絆で結ばれている2人が

繰り広げた優勝争い。

豊ノ島関は取り組み前、

「ドラマだと思った」そうです。

結果は、

「千秋楽のつもりで戦った」という豊ノ島関の勝ち。

あの一戦は

互いの人生で培ってきた

全てのものが

ぶつかった瞬間に見えました。

2人は食事中、

「下積み時代は死ぬほど辛かった。

でも、手を抜かないで稽古して

本当によかった」

自分もこの2人を目指して

頑張ろうと、思いました。

琴奨菊関、豊ノ島関、

改めて、感動をありがとうございました。